Jun 8, 2011

尊き読み物



<マタギ>
険峻な山々に棲む、熊やカモシカなど大型山獣の集団猟を業としてきた東北山村の狩人。






素晴らしい小説に出会いました。

年間多くの本を読みますが、1ページ、また1ページと読み進め、
残りのページが少なくなる毎に、寂しさを覚えながらも手を止められない小説とは
そうそうめぐり合えるものではありません。

数年前から本格的に小説を読み始め、
始めの頃はあらすじを読んで、適当にポンポン選んで買っていましたが、
心動かされる小説に出会うたび、
その次の本で失敗したくないという思いが強くなり、
小説選びに長時間を要するようになりました。



この「邂逅の森」は、直木賞と山本賞のダブル受賞を初めてなしえた小説で、
町に暮らす人間が、「自然との共存」などと謳っているチープなものではなく、
「共存」と対で考えなければならない「共死」についても深く考えさせられます。

自然と共に生きる人々の人間模様と、自然がもたらす恵みと脅威が生々しく描かれており、
ラストシーンでは吐き気すら覚えながらも、涙を止める事が出来ませんでした。

暫くは出会えないだろうな、
こんな素晴らしい小説に。












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