Sep 30, 2011

楽しきゃいい



どういった心境の変化か

昨年の夏はショートパンツデビューをはたし、
この度わたくしOVERALLデビューをしました。


先日渋谷のハンズで用事を済ませたついでに、
かねてより一度行ってみたいと思っていた、
同じく渋谷にある古着屋をのぞいて見ました。


作業場にこもってバッグを制作していても、
一人でいるので、それこそモノを考える時間は腐るほどあります。

皆さんも経験があると思いますが、日々同じことを繰り返していると、
何かのタイミングで今までの自分を覆すことをしたくなります。

おそらくこれもその一環でしょう。


僕の人となりを知っている何人かは
OVERALLと聞いて

!?

と感じていることでしょう。


と言うのも、
今から10年ほど前、以前も書きましたが、当時友人と門前仲町に住んでいた頃
バッグだけでは食べていけなかったのでアルバイトを探しており、
特に食費を浮かせる為に飲食のアルバイト面接を受けました。

ちょっと変わった形態のお店で、
昼はカレー屋、夜は駄菓子で酒を飲ませるという、こじゃれたエリアの
こじゃれた店で、そこのオープニングスタッフとして採用されました。

お金の無さは一刻を争う状態だったので、
採用の報告はとても嬉しいことだったのですが、


(何か嫌な予感がしません?)


数日後その会社の方から電話があり、

「制服を手配したいから、身長と体重教えて」

と聞かれ、身長体重を答えた後

「どんな制服なんですか?」

と質問しました。(当然の疑問です)


耳を疑いました。


なんとOVERALLで頭にはバンダナ!と言うではないですか。

せめて求人広告に”OVERALLにバンダナ姿で楽しく接客しませんか?”
と書いていてくれれば・・・。

その場はやり過ごしましたが、夜中悩み、翌日丁重に採用をお断りしました。

今よりうんとプライドが高かった頃の話です。


そんな僕ですが、とても親切な古着屋のお兄さんに着こなし方のレクチャーを受け、
これから少しずつOVERALLを自分のものにして行こうと思っております。ハイ











Sep 29, 2011

珊瑚



僕達夫婦が好きなもの、

珊瑚。


結婚のお祝いに頂いた、
Stefano Polettiの珊瑚の蝋台。





そしてこちらも我が家の家宝の一つ、
「Cabinet of Natural Curiosities」



縦45cm横31cmのとても大きな本で、
動植物を全編精緻なイラストで綴ったアート図鑑です。

絵もさることながら、レイアウトも素晴らしく、
とても見ごたえのある一冊です。

その一部をご覧下さい。










こちらはこの本に触発されて作った、貝のブローチ。
妻のレザーで編まれたバッグのワンポイントになっています。





最後に、こちらは以前友人Yちゃんよりご注文いただいた
母子手帳カバーです。

現在使用中なので外見のみの写真ですが、
内側には診察券などのカード入れも付いています。

前面

背面

こちらのカバー、
もうお分かりですね?

産後と珊瑚

・・・



自然が生み出す不思議な造形には、物作りのヒントが盛りだくさんです。














Sep 27, 2011

お詫び




一雨ごとに秋の深まりを感じる今日この頃
皆様いかがお過ごしでしょうか?


本年5月の展示会以降、
バッグの制作に集中する日々を送っておりますが、
セレクトショップ様への納品分に9月いっぱいを要し、
個人のお客様よりオーダーを頂いたバッグの制作が、
当初納品予定とお伝えしておりました10月からの制作になっております。


特に5月の展示会でオーダーをいただき、
納品を楽しみにお待ちいただいているお客様には
大変ご迷惑をお掛けいたしますが、
一点一点丁寧に仕上げてまいりますので、
いま暫くお時間を頂けますようお願い申し上げます。


tortoago 大久












Sep 22, 2011

ファイティングポーズ



ご無沙汰いたしました。


減量に臨むボクサーは、
もう何をしても、一滴の汗も出ない身体に達すると、
最後はガムを噛み、ツバを吐いて体重を落とすそうです。


同じような境地です。


ツバを吐いてひねり出した投稿。



本日はタッセルの作り方をご紹介します。

バッグのワンポイントに限らず、
個人的にタッセルというモチーフが昔からとても好きです。

過去にもタッセルの付いたバッグを多くデザインしてきました。

小さいながらも存在感のある飾りです。




今回のタッセルは、あるバッグに付けるものです。

パーツはこの3つ。


先ず房を作っていきます。
大きさや作り方は様々ですが、今回のタッセルは長さ35m/mです。
上10m/mの箇所に切り込みのラインを引いておきます。


ラインに合わせて、幅5m/mの切込みを入れていきます。


それぞれの切り込みの先端を剣先に仕上げます。


次にタッセルを付ける紐を作ります。
二つ折りで幅5m/mの紐を2本取ります。
ボンドを塗って貼り合わせる際、
写真の様に方眼定規を使うと、真っ直ぐで同じ幅に仕上がります。


紐にステッチをかけます。


5m/m幅で裁断して2本の紐の出来上がりです。


紐に巻きつけるので、長さを決め
ボンドを付ける箇所を荒らします。


この様に巻きつけていきます。


巻きつけるとこうなります。


元い。
こうなります。


穴を開け、


手縫いでかがって完成です。



皆さんも是非作ってみて下さい。

勿論ウインナーの方(笑)













Sep 18, 2011

BOX B-001の作り方 PartⅡ



前回の続きです。


ハンドルとバッグ本体を繋げる手カンのパーツ。



こういったコンパクトなプレス機があるので
まっすぐ正確にカシメを打てて便利です。





本体組み立てに入ります。
このバッグは底マチで立体感を出しているので、
初めに前胴と後胴を合わせて縫います。



前胴と後胴を縫って、底を付けます。
4点合い印を合わせて、その間は胴側を軽く引っ張りながら
たるみ無く貼って縫製します。


縫製後ひっくり返してバッグの形が見えてきました。



底芯を入れ、底鋲を打ちます。



鋲を打った底面。



このパーツは縫いにくい箇所に付けるので、
あらかじめミシンで空ステッチをかけ、手回しで縫製します。
面倒です。。。


口元にファスナーを両面テープで貼ります。
このバッグでは、構造上オープンファスナーを使用します。


裏地を落とし込みます。



写真左下の、先ほど手回しで縫うと説明したパーツは、
こうしてバッグの口元を内側に折り込む為のガイドになります。



ハンドルを付けて完成です。




ファスナーを閉じても開いてもご使用いただけます。

ファスナーオープン。


ファスナークローズ。

















Sep 16, 2011

BOX B-001の作り方 PartⅠ



久しぶりにバッグ屋らしい内容で、
新作からBOX B-001の作り方を紹介します。



写真多め、説明文少なめでいきます。


裁断後、荒断ちの状態。


それぞれのパーツの形に裁断。


このバッグのデザインポイントとなる
アウトポケットの制作工程。


ファスナーポケットになる部分をくりぬきます。
角の部分は、小さいポンチで抜いて切り込み過ぎないようにします。




玉縁を貼るガイドラインをひきます。


ガイドラインに従ってパーツを貼っていきます。


ボタンループ。








両玉縁のセンターに合わせてファスナーを置きます。


表から。


内袋を作っていきます。


先ず、下コの字型に縫製して内袋の口を留めます。


袋を二つ折りにし、底を作ります。


上側を一文字に縫って袋を留めます。


裏から。


内袋の縦の線を縫って、完全な袋にします。





デザインポイントの革ボタンを手縫いで付けます。


アウトポケットの完成。



PartⅡに続く。