Jan 31, 2011

追記

こちらクリック

 
TOMORROWLAND 2011SPRING webカタログにて、
私のバッグを掲載していただきました。







1月27日投稿の「育ての親」をご覧でない方はこちらもどうぞ。http://tortoago.blogspot.com/2011/01/blog-post_9246.html



Jan 30, 2011

ねらったカンまる出しの

ファーファ

本日は、2010A/Wからフェイクファーバッグのご紹介です。

最近のフェイクファーは驚くほどクオリティーが高く、
パッと見では本物かニセモノか見分けがつきません。



当然そのレベルのものは値段も立派で、
同じ面積で計算すると革よりもはるかに高額になります。


こうして雰囲気のいい革と組み合わせても
全く遜色のない仕上がりです。



リアルファーが良いのは百も承知で、
でも、毛皮の為に年間4000万頭の動物が殺されていることを考えれば、
この分野の技術の発展は大歓迎です。




パチパチ



Jan 29, 2011

どれだけ熱く語ろうが

このブログには、あまりパーソナルな事は書かないようにしようと思っていましたが、
それではネタが追いつかないので、たまには私物紹介で、時間稼ぎをしてみます。

ここ数年、決して高額なものではないですが、
70年代以降の、程度と雰囲気のいい古着を楽しんでいます。

特にDENIM JACKETは、多くの人が
過去一度はワードローブの一つに数えた事があろう、定番中の定番アイテムです。

また、DENIMという素材は、身に着ける人の個性が反映される点において
非常に革に近い素材だと感じます。




薀蓄は古着屋に任せて、


DENIM JACKETにかかわらず、今では少なくなってきたMade in USAの名品は、
その製法の善し悪しにおいて、お世辞にも綺麗とはいえないものが多くあります。
同じサイズ表記でも実寸はマチマチですし、ミシン目の糸飛び、
目立つ位置での縫い直しや糸繋ぎ、等々。

にもかかわらず何ともいえない無骨さや手作りの温もりみたいなものが感じられます。

物造りの細部については、国民性も大きく影響するようですが、
以前知り合いが、某高級ブランドでバッグを買ったところ、
ミシン目が一つ飛んでいたので、不良品として交換を申し出たら、
「それ位の事でバッグは壊れない」と言われたそうです(笑)

確かにその通りかもしれません。
でも本来縫われているべきところが縫われていなかったわけですから
上記のセリフはちょっとないかな。

それでもそういう欠点など気にならないくらいのオーラを纏ったものは
確かに存在します。


僕もオールハンドメイドを謳っている以上、
商品にはある種の”温もり”を表現したいと思っています。

一般的に大量生産といわれる商品から想像する雰囲気と、これもまた一般的にハンドメイドと聞いて想像する雰囲気のちょうど中間を自分の立ち位置と心掛けています。

あまりにも平均点的綺麗さでつまらなくなく、自己満足過ぎないもの、
と言ったら分かりやすいでしょうか。

古いものを手放しで賞賛するつもりは毛頭ありませんが、
現在のファッション性を重視した物造りではなく、
当時の、道具としての要素、必要性がより濃かった時代のエネルギーに惹かれるのでしょう。

tortoagoのバッグも”物を入れる道具”として製作しています。

物を入れて持ち運ぶ以上、そのデザイン的容量に耐えうる強度を実現しつつ、
デザイン性や機能性を高めていければと考えています。










妻 「同じものばかり、馬鹿みたい」

私 「・・・」

先人に学ぶ

小学生以来、宮沢賢治の「雨にも負けず」を読んでみました。

日々の忙しさにかまけて、自分を省みることの少ない今日この頃、
暫し手を止めてじっくり読んでみるのもいいものです。

時代背景、信仰の違いこそあれ、今の自分との比較対照には
とても適した文章です。

が、

ココマデノモノニハ
ワタシハナレナイ



Miyazawa Kenji.jpg


雨ニモマケズ

風ニモマケズ

雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ

慾ハナク

決シテ瞋ラズ

イツモシヅカニワラッテヰル

一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ

アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ

ヨクミキキシワカリ

ソシテワスレズ

野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ

東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ

西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ

南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイゝトイヒ

北ニケンクワヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ

ヒドリノトキハナミダヲナガシ

サムサノナツハオロオロアルキ

ミンナニデクノボートヨバレ

ホメラレモセズ

クニモサレズ

サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
   

Jan 27, 2011

育ての親

昨年12月29日に投稿した「partner」内の画像。

こちら、TOMORROWLANDさんに春夏商品として納品する分でした。


TOMORROWLANDさんとは、私のデビュー直後からおよそ10年間お取引をさせて頂いております。

私の様な、吹けば消えてしまう弱小無名ブランドの方針をご理解いただき、バッグを世の中に送り出す機会を与え続けて下さっています。

まさしくtortoagoの”育ての親”です。

そう言えば、初めて街中で、tortoagoのバッグを持った女性を目撃したのも、
TOMORROWLANDさんに納品したものでした。

あの時は興奮したなぁ。







2月上旬からTOMORROWLAND渋谷店、丸ノ内店、
京都店、御堂筋店、神戸店でお取扱い予定です。

お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さい。


ワン


ツー

スリー






アトリエを旅立つ君へ。

卒業証書ならぬ、プライスタグ授与。


優しいオーナーさんの元で立派に育てよ。






予言


2011年8月9日(バッグにちなんで)の天気をバッグを使って大予想。



こんなん出ました。







のち




Jan 25, 2011

牛よ

驚かないで聞いてほしい。



肉は食され、皮は皮革製品へと姿を変える。

バッグになっていること自体、すでに想像の範疇を超えてしまっているだろうに、



よもや鳥になっていようとは



感謝



感謝と言えば、昨日24日に36歳になりました。

温かいお祝いのメッセージを下さった皆様、心よりお礼申し上げます。

ありがとう!!




そして、両親へ

10代、瞬く間にあなた達を追い抜いてやろうと思っていました。

20代、すっかり肩を並べた気でいました。

30代、歳を重ねる毎に二人の偉大さを思い知らされます。


典型的な次男坊で生きてきた私を、好きなように歩ませてくれました。

最大級の感謝。





でもその差は縮める為にある。

Jan 24, 2011

BALANCE

何事もバランスが大事


心も

性格も

食事も

運動も

ダイエットも

商談コミュニケーションも

スピーカーも

歯列矯正も

資産運用も

ファッションも



勿論バッグも



妻に言わせると、私はバランスが悪いらしい。

そこで、いつも自分を省みれる様に、chigoのブレスレットを着けています。


だけど、世の中バランスの良い物事ばかりじゃ面白くない。

デザインの現場にいる人達は、何が多くの人々にとって気持ちがいいと感じるバランスか、経験やある種の方程式で分かっていることだと思うのです。

そこにブランドや会社の個性を表現するために、あえて捻り、崩して、なおかつバランスをとるという作業を行う事が必要だと。

それがいつか、凄くバランスの良いものに変わる可能性も充分にあります。




例えばこのバッグたちも









充分にある・・・

Jan 23, 2011

ト音記号

先週STINGが来日していたようです。
行きたかった・・・

二十歳から三年半程働いていたオーダーメイド鞄店のアトリエでTHE POLICEとSTINGをよく聴いていました。

現在は作業中、専らTVをラジオ代わりに一日中つけっぱなしにしていますが、昔からハードロックやパンクなど、激しいアップテンポの曲を流して製作すると気持ちが急いて集中できませんでした。
(本当に集中してたら気にならないのかもしれませんが)


これ位がちょうどいい




で、STING「Fragile」からの、
そんな簡単には壊れないtortoagoの(音楽繋がり)ショルダーバッグです。

図案として好きなト音記号を前面に大きくデザインし、サイズ的にもA4が楽に入るので、tortoagoには珍しくユニセックスなバッグです。


このバッグ、オールブラックですが、ショルダー・ト音記号部分と、ボディ部分で異なる種類の革を使用しているんですよ。

ト音記号は、コピー機の縦横変倍機能を駆使して、納得いくまでバランスを調整した地味な力作です。

この縦型デザイン、個人的に凄く好きな形なので、次の展示会でモチーフを変えてまた出そうかな。

Jan 21, 2011

その男、シューズデザイナーにつき

齊藤泰三。

NO」というシューズブランドのデザイナーにして我が友人。

彼もまた一人でブランドを営んでいることもあり、知り合ってからのここ数年実に多くの事を語り合ってきました。

NOは来期4シーズン目のコレクションを迎えますが、ブランドの目指すところは違えど、そこはかつて僕も通ってきた道であり、当然その過程にある喜びや苦しみには多くの共通点があります。


靴というアイテムを考えたとき、服やバッグと比べて、履き心地に不具合があるとその苦痛は他のアイテムの比にならず、人体にも影響が及びます。結果デザインにも大きな制限がかかります。
つまり、勝手に解釈すると、それだけ既に完成されているアイテムであると言えます。
だからこそ、靴は少ない新たな切り口でのデザイン、履き心地の商品が出ると圧倒的な支持を得るのだと思います。



先ずはNOのブランドタグをご覧下さい。
AからZまでを読んでいくと、そこには無いNとOが自然と浮かび上がり、より効果的に印象付けられます。



昔、美大出の友人に、例えば花瓶のシルエットを描く時、その方法は二つあり、ひとつは花瓶に意識を集中してそのものを描くこと。もう一つには、花瓶の周りを描いていって最終的に花瓶が浮かび上がる方法とがあると聞きました。

逆転の発想です。

日頃”考える”という事を意識していないと意外とできないことです。

泰三はそんなことを実にサラリとやってのける男です。

そして彼のブランドの一番の魅力はとても微妙なバランスの上に成り立っているということです。

普段僕は自分の造ったバッグを商品と呼ぶか作品と呼ぶかで悩みます。
作品と呼ぶと、そこには何かしらのアート性が要求されている気がするからです。

アート(作品)はモノにもよりますが、値段ありきで産み出されたものではなく、アーティストの内なる情熱の表れで、その価値、値段はあとからついてくるものであって欲しいと思うのです。
一方商品は綿密な原価計算の元に、販売を目的として造り出されたものです。

そう考えると、バッグにそのもの以上の価値を与えたいと思って製作していますが、やはり僕は商品を造っているのでしょう。(皆さんが作品と評してしてくださる分には大歓迎ですが)

そんな中でNOのシューズはとてもアート性が色濃く出たデザインに仕上がっています。
皆さんからしたらそんな事(作品か商品か)はどうでもいい事かもしれませんが、アート的要素を表現しつつ、商品として正当な価格の作品を造るというのは、想像以上に大変な事なのです。

新しい靴を初めておろす時の快感は何物にも変えがたい喜びです。
そんな想いをNOのシューズで味わって下さい。




最後に本人監修のブランドリリースより。

NOのブランドコンセプトである" UNDER THE FACT OF SHOES "は靴の真実を再認識、発信することを表しています。この思いはブランド名にも反映されており、ブランド名"NO"は物事を生み出す根源の(脳)+生み出した物が受ける反論(NO)を表し、この二つの意味を併せ持つNOは逃れる事のできない事実を追い求める為に名付けました。

(脳)+(否定/NO)=NO

NOはコンセプトに基づいたものづくりを基本とし、物の存在感を高めることに意義を見出しています。

Jan 20, 2011

無題

背後に漠然とした気配を感じた


砂漠のように見晴らしの良い場所で


肉眼では何も見えない


双眼鏡ではるか後方を見渡す


砂埃?




きた!  あいつだ!!









ネタ切れ






 

Jan 18, 2011

ギター弾きの恋








2001年日本公開の「ギター弾きの恋」

1930年代、ジャズ全盛期のシカゴを舞台に、天才ギタリストエメット・レイ(ショーン・ペン)と、口のきけない女性ハッティ(サマンサ・モートン)の、はかない恋の行方を、おかしくも切なく描いたドキュメンタリー風映画。
監督はウディ・アレン


公開当時、配給元のヘラルド・エンタープライズ(現角川シネプレックス)の方よりお話を頂き、恵比寿ガーデンシネマのロビー内にてバッグの展示即売をしていただきました。

お話を頂いた時点であまり日数がなかったので、そのシーズンにデザインしていたバッグを、映画のイメージに合ったカラーリングで製作しました。
(一点ものでしたが、最終日に無事sold)


バッグ底面に緩やかなカーブをつけ、蓋を留めるストラップを
あらぬ方向に向けた、ちょっとユニークなショルダーバッグ。


バッグの経緯は抜きにしても、大好きな映画です。

あえてあらすじを簡単にしているので、ぜひご覧になってみて下さい。

「なめす」という意味

皆さんも「皮をなめす」や「なめし革」など、「なめし」という言葉を聞いた事があると思います。
今回は、この「なめし」とはどういう事かを簡単にお話します。

面白くも何ともない話ですが。


動物の皮は柔軟性に富み、しかも大変丈夫なので、そのまま利用できれば都合が良いわけですが、生憎皮は肉と同様、動物から剥ぐとすぐに腐ってしまいます。

また、そのまま干すとカチカチになってしまいます。

そこで、樹液や様々な薬品を使って、皮が腐ったりカチカチになることを防ぐ方法が考え出されました。

その方法を「なめし」と呼びます。

したがって、なめされていないものを「皮」と呼び、なめしたものを「革」と区別します。

つまり、「皮」を「なめし」たものが「革」になる、という意味です。



まだ布を用いることを知らなかった古代の人間は、
動物の皮を剥いで衣服などに利用していました。

当然今のような科学が生まれる前のことですから、
口の中で皮をクチャクチャ噛んでなめしていたそうです。



ご苦労なことです(苦笑)


MEN'S BAG

日頃はレディースのバッグを専門に製作していますが、個人的にご注文を頂いたときは、メンズバッグも造ります。

このメッセンジャーバッグは友人I君の依頼により、パーソナルオーダーで製作したものです。

僕は普段バッグを持ち歩きませんが、このバッグの完成を見て、自分も欲しいと思える出来ばえでした。


主にレディースのバッグを造っていると、メンズバッグと製作工程が大きく変わる訳ではないのですが、何かこう、スイッチが違う?・・・メンズものは多少薀蓄が必要になるので、コレクションとしてはなかなか手が出せないでいます。

友人や、デザイン前に一度お会いして話を伺った方のものは、イメージも湧いてくるのですが。

でもメンズのバッグにも凄く興味があります。
近い将来二型位でも、展示会に出せればいいなぁと思う今日この頃です。

Jan 17, 2011

合作

作業場にストックしてあった、バッグを取れるほど大きくないヤギ革でtrayを造ってみました。

日頃からとてもお世話になっているO夫妻とY夫妻の引っ越し祝いに。

普段使っている鍵やアクセサリーなどを一箇所にまとめておける気の利いたtrayは探すと意外と無いものです。


ライトグレー単色で完成させた後、少しシンプルすぎたので、最近ニットに凝っている妻にプラスαをお願いしました(命令ではなく)

一度自分の手を離れて、どう変わって仕上がるのかを待つのは楽しいものです。


異素材の組み合わせ(革と何か)は以前から興味がありましたが、両方の素材が同じ速度で経年変化しないので、バッグではなかなか難しく、今回の様に持ち歩くものではなくインテリア的なものであれば、まだまだ面白いものが造れそうだと感じました。




ここからが妻の仕事。





なかなかやるな。


O夫妻から早速使用してるの図をメールしてもらいました。



日曜日、そのO夫妻Y夫妻と丸の内でお茶。

一週間ぶりに一日100m以上歩く。

ビル風が激しい丸の内界隈は、夢だの愛だの語るにはあまりにも寒すぎた。