Jan 4, 2011

バッグができるまで(前編)

12月29日のブログ(Partner)で裁断した革の写真を載せましたが、その革を使ったバッグの製作過程を、前編後編の二回に分けてご紹介します。
日頃製作過程を説明する事はないので、コメントをつけるのが難しく、拙い表現になってしまいましたが、最後までお付き合い下さい。


それでは早速。


製作過程でボンドをつける箇所(写真:革右端)は
接着を良くする為にこの様に荒らしておきます。




革漉き機

この機械は簡単に言うと革の厚みを調整する物です。
各パーツの目的にあった厚みにしたり、縫製する箇所を部分的に薄くする等の用途に用います。

上記は本当に簡単な説明で、個人的には、一個のバッグを造る上で多くの工程がありますが、この漉き工程が、完成時の善し悪しを決める最も重要な工程と言っても過言ではありません。
漉き機については書きたいことがたくさんありますが、とても感覚的な話なので、細かい説明は割愛します。


 
後の組み立て工程で縫う箇所を薄くしています。

同じ種類の革でも、厚みや風合いは一枚一枚微妙に異なります。革を触った感覚で微調整をしますが、何ミリに漉くといったマニュアルがないので経験だけが頼りです。15年近く扱っていてもいまだに緊張します。


 漉き機を通すとこうなります。



   
貼り合わせるパーツに、ボンドを薄く均一に塗り圧着させます。


 
硬くしたいパーツには芯材を入れます。


 革のコバ(断面)に染料を塗ります。


 だいぶパーツが形になってきました。


 革の断面を見せたくないパーツはこのようにヘリを内側に折っていきます。


胴にパーツを縫いつけ、独立したパーツもそれぞれ縫います。


糸留め。ペン先が400℃になる電気ペンで糸を溶かして留めます。
地味な作業ですが、綺麗な糸留めは仕上がりの印象を左右します。


後編に続く

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