革を扱う仕事をしていると
しばしば問われ、また考えさせられる素朴な疑問。
値段が高い革が良い革か?
インポートレザーが良いのか?
僕は決してそういうことでは無いと思っています。
いくら高い革を使用しても、そのデザインや制作方法に
適していなければその価値は半減してしまいますし、
例えば高額なイタリア製の革でも、日本の気候に適さず
激しく色落ちするモノもあります。
値段や生産国ではなく、適材適所が大切です。
ただ、セオリー通りのことをしていても
面白い発見が減ってしまうという点において
作り手側としては非常に悩ましい問題なのですが。
誌面などでよく目にする、革にまつわる言い回しに、
「経年変化」
「アジ」
「ヤレ感」
「一生モノ」
等々ありますが、これらの表現は基本的に
手入れをして得られるものだと思っています。
まぁ僕自身も、バッグはそれほど手入れはしませんが、
靴の手入れは怠りません。
バッグの製作中、気が散って集中できないときや
イライラしている時など、靴を磨くと集中力が増し、気持ちも落ち着きます。
手入れのし甲斐が無い素材、デザイン(悪い意味ではなく)の靴も
所有していますが、中には手を掛けただけ応えてくれる素晴らしい革の靴もあります。
そんな一足。
マルタン・マルジェラの2008年S/Sコレクションに出ていた
切り込みショートブーツ。
切り込みショートブーツ。
妻の愛用品で頻繁に履いています。
妻の靴の手入れも僕の担当なので、頃合いをみて磨いています。
購入した当初から、どのように変化して行くのか楽しみにしていましたが、
見事に期待に応えてくれています。
新品の時も格好よかったのですが、
ガンガン履いて、ちゃんと手入れをすると
これぞ革という美しい表情を楽しむことができます。
これって男の発想でしょうか?
何はともあれ
お手入れ以前に、先ずは気に入った革製品は
ガンガン使用することです。
革は、使い手の性格が如実に表れる
とても興味深い素材ですから(笑)
そしてこのブランドの靴も。
近日新作のご紹介をします。
まだまだ予告。
date:5.10tue-15sun
time:12:00-20:00
(節電の為19:30終了の可能性があります)
どなた様もご来場いただけます。
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