Apr 29, 2011

良い革って何?


革を扱う仕事をしていると
しばしば問われ、また考えさせられる素朴な疑問。

値段が高い革が良い革か?
インポートレザーが良いのか?

僕は決してそういうことでは無いと思っています。
いくら高い革を使用しても、そのデザインや制作方法に
適していなければその価値は半減してしまいますし、
例えば高額なイタリア製の革でも、日本の気候に適さず
激しく色落ちするモノもあります。
値段や生産国ではなく、適材適所が大切です。

ただ、セオリー通りのことをしていても
面白い発見が減ってしまうという点において
作り手側としては非常に悩ましい問題なのですが。

誌面などでよく目にする、革にまつわる言い回しに、
「経年変化」
「アジ」
「ヤレ感」
「一生モノ」
等々ありますが、これらの表現は基本的に
手入れをして得られるものだと思っています。

まぁ僕自身も、バッグはそれほど手入れはしませんが、
靴の手入れは怠りません。

バッグの製作中、気が散って集中できないときや
イライラしている時など、靴を磨くと集中力が増し、気持ちも落ち着きます。

手入れのし甲斐が無い素材、デザイン(悪い意味ではなく)の靴も
所有していますが、中には手を掛けただけ応えてくれる素晴らしい革の靴もあります。

そんな一足。
マルタン・マルジェラの2008年S/Sコレクションに出ていた
切り込みショートブーツ。
妻の愛用品で頻繁に履いています。

妻の靴の手入れも僕の担当なので、頃合いをみて磨いています。
購入した当初から、どのように変化して行くのか楽しみにしていましたが、
見事に期待に応えてくれています。

新品の時も格好よかったのですが、
ガンガン履いて、ちゃんと手入れをすると
これぞ革という美しい表情を楽しむことができます。

これって男の発想でしょうか?

何はともあれ
お手入れ以前に、先ずは気に入った革製品は
ガンガン使用することです。
革は、使い手の性格が如実に表れる
とても興味深い素材ですから(笑)



そしてこのブランドの靴も。
近日新作のご紹介をします。









まだまだ予告。

date:5.10tue-15sun
time:12:00-20:00
(節電の為19:30終了の可能性があります)

どなた様もご来場いただけます。










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