昨日、裁断後から各パーツの製作など所謂仕込みの段階を紹介しましたが、今回は組み立てから完成までを紹介します。
前編部分は料理でいうなら”仕込み”の段階が多くをしめます。
バッグの完成を急くあまり仕込み部分を丁寧にしないと、料理と一緒でマズイ仕上がりになります。
いつも自分に言い聞かせていることですが、完成したバッグの外側からは見えない部分にどれだけ手を掛けられるかが重要です。
僕の考えるバッグの大前提は「物を入れる道具」である以上、見えない部分に手を掛けた事の答えは、壊れずに永く使える、という結果でかえってきます。
今回全てのテクニックを詳細にわたって紹介する事はできませんが、お伝えしたい各工程の細かい手法は、今後少しずつご紹介したいと思っています。
それでは後編をご覧下さい。
前胴、背胴に必要なパーツを付け終わりました。
胴にマチを中表で貼っていきます。
このとき貼り合わせるマチの長さを胴の長さより少しだけ短くし、
気持ち引っ張るように貼っていくと、
縫製後ひっくり返したときに胴にパンッと張りが出て
美しい立体感に仕上がります。
マチに前後胴を仮留めし縫製します。
縫製後ひっくり返しました。
デザイン上伸びたり型を崩したくない口元部分に心材を貼ります。
僕は中肉厚の革を使用し、
できるだけ革の厚みだけで成立するバッグが得意なので、
芯材は多用せず、極力革の柔らかさや雰囲気を殺さないようにしています。
また仕上がりも軽くできます。
写真はありませんが、裏地をつける前に底芯を入れ底鋲で留めます。
これで胴体表の完成です。
裏地を造っていきます。口裏部分数センチを革にし、生地と繋ぎます。
内ポケット裏側に芯を当て補強します。
表の革同様に前後胴とマチを縫い合わせて立体にします。
最後に上記で準備できている革の胴に裏地を落とし込んで、
口元一周を縫い胴は完成です。
ハンドルを造ります。
ハンドルはバッグの中でも一番消耗が激しいパーツです。
丈夫で、かつゴツ過ぎず全体のデザインを壊さないように製作します。
今回のデザインでは、中にガラ紡というソフトな芯を通してあります。
写真が前後してしまいましたが、マチの厚みを調節するベルトです。
ハンドルなど後付けのパーツを取り付けトートバッグの完成です。
製作するデザインによって用いる手法は変わりますが、
今回の流れはある程度他のデザインでも行っていることです。
より良い方法を考えながら、その都度少しずつ新しいテクニックを
織り交ぜられるよう今後も勉強していきます。
このようなreportはやや自己満足な気もしますが(笑)
楽しんでご覧いただけたら幸いです。
機会があったら、また他のデザインでご紹介させていただきますね。