Feb 17, 2011

オリーブの里より


先日、小豆島に暮らす友人OKD夫妻より
素敵なプレゼントが届きました。




絵本「かばんうりのガラゴ」
島田ゆか 作/絵
(株)文渓堂 発行


旅するかばんやガラゴのもとには、多くの動物が
それぞれの希望のバッグを求めてやってきます。

その一つ一つの希望に丁寧に応えながら、
お代として品物や食べ物をもらい、
忙しくも豊かな生活を送っている、という内容です。

何度も読み返しています。


ストーリー、キャラクターや小物のデザイン、色使い、ページ構成
どれを取っても素晴らしい絵本です。


大人になった今でも、絵本から学べる事はたくさんあります。
ストレートな表現だからこそ心にまっすぐ届くのかもしれませんね。





そして、同じくOKD夫妻より、お母様の誕生日プレゼントに
僕が作るバッグを贈りたいとご注文を頂きました。


こちらのナイロン製バッグをサイズアップし、レザーで製作します。


う~ん
腕の見せどころです。

ナイロンや布製のマルチバッグは数千円で購入できますが、

侮るなかれ

革で同じような構造を再現するのは凄~く大変なのです。


最大の問題は素材の厚みです。

ナイロンなどは、薄くて丈夫で軽いというのが売りなので
各パーツをポンポンポンと重ねて、端をバイアステープなどで
束ねてしまえばいいわけですが、今回使用した革は厚みが
サンプルナイロンの約10倍あります。

ナイロンと同じ要領で製作したら、パーツが重なる部分が
分厚くなり、重量も重たくなってしまいます。

ポケットなどパーツの重なる箇所は、見えないところを布で接(は)いで
厚みと重量を可能な限り軽減します。

パーツの数は相当増えましたが、予想よりも軽く
とても素敵に仕上がりました。


こちらです。

蓋に全幅のファスナーポケット


蓋をめくると3段のポケット

3段ポケットの後ろにファスナーポケット

後ろ胴に全幅ポケット

お母様の名前にちなんで、鈴のチャームを




パーツが多く複雑な構造で値段の高いバッグがある一方、
革の雰囲気を最大限表現する為に、接(は)ぎを極力減らし
一枚大きなパーツで構成されたシンプルながらも高額なバッグがあります。

スーパーブランドと言われるいくつかのブランドでも、
永く定番として愛されているデザインには、
贅沢に革を使用しているものが多いような気がしますし、
僕もそういうバッグが好みです。




日頃革を専門にバッグを作っていて、
過去に複雑に見えるバッグを製作してきましたが、
それはあくまでも革で作ることを前提にデザインをしているので、
その構造は意外と合理的です。

この度のバッグは、布製バッグの構造に慣れていない事を考慮に入れても、
過去5本の指に入る難易度でしたが(笑)、
細かなテクニックが要求されるとてもやりがいのあるものでした。

日々成長



マメくん、ヨシコさん、ありがとう!






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