Feb 19, 2011

HandBagを作る PART Ⅰ


先月1月4日、5日にこちらのトートバッグの製作過程を紹介しましたが、
今回は第2弾として、あるハンドバッグの作り方を紹介したいと思います。


ご覧頂く前に、まだ前回のブログをご覧でない方は、まず↓を見てみて下さい。
より分かりやすくご覧いただけると思います。


バッグができるまで(前編)



本来、ご紹介するバッグの完成形からお見せした方が親切なのかもしれませんが、
今回も何を作っているのか分からない状態から、
工程を追うごとにあ~と納得していただける運びにしています。

最後に完成形を見て、再度頭から見直していただけたら幸いです。



それでは、ハンドバッグを作る工程です。

<裁断後から胴製作まで>

ハンドバッグの裁断が終わったところです。
この写真にはありませんが、裏地や芯材、細かい金具等含めると、
約60位のパーツで構成されます。

ここからスタート。


前回ご紹介した、トートバッグの製作同様、
後々組み立て等の工程でボンドを付ける箇所をあらかじめ荒らしておきます。
こうすることで、ボンドの付きがよくなります。


各パーツの漉き工程を終え、胴体を作っていきます。
今回は主に2種類の漉きテクニックを使います。

上の写真で逆Uの字型で漉いている箇所が、下の写真左側の漉き方です。
革が突然ガクッと段差のように薄くなっているのが分かると思います。
通常組み立てで縫製する箇所や、ヘリをしっかり折りたいときなどに使います。


また、上の写真で下方直線部分は下の写真右側の漉き方を使います。
中央から右端に向かって、斜めに徐々に薄くなっているのがご覧いただけると思います。
この漉き方は、パーツを重ねる際、厚みを出したくない時や、
縫い割りをし、表にアタリを出したくないときなどに使います。

この斜め漉きは、漉きの方法の中でも特に気を遣い、
少しでも厚く漉くとうまく曲がらず、逆に薄くしすぎると強度が足りなくなってしまいます。


こちらが縫い割りを後ろから見た図です。


縫い割りを表から見た図。
先ほどの斜め漉きをしているので、アタリがほとんど目立ちません。


バッグ真ん中辺の切り替えが縫い割りをおこなった場所です。
そして、ファスナーポケットを作ります。


上の写真で細く長方形にくりぬいたところに玉縁を付けます。


今回は、玉縁ファスナーポケットなので、
つき合わせた玉縁の間にファスナーを入れます。


裏から


ポケットになる袋を縫いつけて、


玉縁ファスナーポケットの完成です。


前回ご紹介したトートバッグは、裏地を最後にバッグの口元で縫い留める、
落とし込みの方法でしたが、今回は各パーツに裏地を貼り込んでいきます。

革よりも少し大きく取った裏地と革の胴を、一周5m/m幅位でゴムのりを塗り、
貼りあわせ、裏地のはみ出した部分を切りそろえます。


ここまで紹介したのはバッグの顔となる前胴の製作過程です。
後ろ胴は玉縁ファスナーポケットがつかない、前胴と同じ作りなので省きます。

PART Ⅱにつづく。







Feb 17, 2011

オリーブの里より


先日、小豆島に暮らす友人OKD夫妻より
素敵なプレゼントが届きました。




絵本「かばんうりのガラゴ」
島田ゆか 作/絵
(株)文渓堂 発行


旅するかばんやガラゴのもとには、多くの動物が
それぞれの希望のバッグを求めてやってきます。

その一つ一つの希望に丁寧に応えながら、
お代として品物や食べ物をもらい、
忙しくも豊かな生活を送っている、という内容です。

何度も読み返しています。


ストーリー、キャラクターや小物のデザイン、色使い、ページ構成
どれを取っても素晴らしい絵本です。


大人になった今でも、絵本から学べる事はたくさんあります。
ストレートな表現だからこそ心にまっすぐ届くのかもしれませんね。





そして、同じくOKD夫妻より、お母様の誕生日プレゼントに
僕が作るバッグを贈りたいとご注文を頂きました。


こちらのナイロン製バッグをサイズアップし、レザーで製作します。


う~ん
腕の見せどころです。

ナイロンや布製のマルチバッグは数千円で購入できますが、

侮るなかれ

革で同じような構造を再現するのは凄~く大変なのです。


最大の問題は素材の厚みです。

ナイロンなどは、薄くて丈夫で軽いというのが売りなので
各パーツをポンポンポンと重ねて、端をバイアステープなどで
束ねてしまえばいいわけですが、今回使用した革は厚みが
サンプルナイロンの約10倍あります。

ナイロンと同じ要領で製作したら、パーツが重なる部分が
分厚くなり、重量も重たくなってしまいます。

ポケットなどパーツの重なる箇所は、見えないところを布で接(は)いで
厚みと重量を可能な限り軽減します。

パーツの数は相当増えましたが、予想よりも軽く
とても素敵に仕上がりました。


こちらです。

蓋に全幅のファスナーポケット


蓋をめくると3段のポケット

3段ポケットの後ろにファスナーポケット

後ろ胴に全幅ポケット

お母様の名前にちなんで、鈴のチャームを




パーツが多く複雑な構造で値段の高いバッグがある一方、
革の雰囲気を最大限表現する為に、接(は)ぎを極力減らし
一枚大きなパーツで構成されたシンプルながらも高額なバッグがあります。

スーパーブランドと言われるいくつかのブランドでも、
永く定番として愛されているデザインには、
贅沢に革を使用しているものが多いような気がしますし、
僕もそういうバッグが好みです。




日頃革を専門にバッグを作っていて、
過去に複雑に見えるバッグを製作してきましたが、
それはあくまでも革で作ることを前提にデザインをしているので、
その構造は意外と合理的です。

この度のバッグは、布製バッグの構造に慣れていない事を考慮に入れても、
過去5本の指に入る難易度でしたが(笑)、
細かなテクニックが要求されるとてもやりがいのあるものでした。

日々成長



マメくん、ヨシコさん、ありがとう!






Feb 15, 2011

らしさ


こんばんは。

今日紹介するバッグは2009A/Wで製作した、アラベスクモチーフのクラッチバッグです。


マジメにアラベスクを解釈するとイスラム的世界観を語らなければなりませんが、
僕は単純にこの様式の模様が好きなので、その一部を切り取ってデザインしたバッグです。

このクラッチバッグは個人的にとてもtortoagoらしさが盛り込まれたデザインだと思っています。

バッグ全体の縦横の比率、コーナーパッチの曲線のバランス、白黒の色の分量、
模様の配置、どれをとっても自分らしい。

ところが

展示会では一個も注文がつかず・・・

本人が気に入っているからといって必ずしも評判がいいと言うものではないですし、モノとして気に入っていただけても、コーディネートのし易さや使い勝手は全く別の問題ですよね。

そこが面白くもある。



愛すべき




死に筋